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<ネタバレ注意!>
何でもない街を目的もなく歩くのが好きなひとも。 家族で食べるごくごく普通の食卓が実は夢だったりするひとも。 ぜひぜひ、観るべし。おすすめの映画です。 「大学8年の秋、俺は3色のハミガキを買えば、 この最悪の状況から逃れられる気がしていた」 という、オダギリジョー演じる竹村文哉のモノローグから、映画が始まる。 このモノローグも、最初はなんてことなかったのだ…。 84万円の借金を抱えた文哉と、見知らぬ借金取りの男、福原。 そのふたりが、井の頭公園を出発して、霞ヶ関までの東京散歩に出掛けるわけなんだけど。 なんでもない踏み切り。 なんでもない駅前。 なんでもない神社の脇の通り。 なんでもない住宅地の階段。 なんでもない商店街。 ふたりが歩く、なんでもない東京が、 秋の日の黄色っぽい斜めの光の中で、しっとりした色調で撮られていて、それがすごくいい。 (これを書いてる自分についてなんてどーでもいいことだけど、 写真を撮るのが好きで、一応しょーもない写真ブログもやってて、 こんな、転々に出てくるような、なんでもない道やお店を撮りたいなあと思う。なもんで、それを観るだけでも最高の映画でした) でね、なんでもないけど、洒落てることが多いんだよね、この映画には。 例えば、福原がよく通った「愛玉子」の店。 あいたまご、じゃなくて、オーギョーチイって読むんだけど、 チャイニーズのスウィーツのお店なんかにある綺麗な金色のぜりーね。 このお店が、いい感じなんだよ。 オーギョーチイのロゴとか、店のテーブルとか、ガラスケースに飾られた人形とか。 お店を構成するすべてのものが(鷲尾真知子のおばちゃんでさえも)、ツボなんです。 小泉今日子演じる、麻紀子の家も、昭和の懐かしいものがそこここにある。 玄関の靴箱の上の飾りとか、水玉プリントのコップとか、キッチュな柄のビニールシートっぽい壁紙とか、チューリップ柄のサラボールとか。 麻紀子の買い物カゴも、昭和っぽくて、かわいかった。 オダギリジョーの服もよさげ。 スウェードのジャケに赤いシャツ、ブルージーン。なぜか麻紀子のうちで着替えてるんだけど、そのグリーンの古着っぽい組み合わせは、ちょっと好みかも。 そんでね、映画の冒頭では、どってことなかったオダギリジョーのモノローグ。 このモノローグに泣くことになるとは思わなかったよ。 文哉と福原と麻紀子は、麻紀子の姪ふみみがやってきたことで擬似家族を演じているんだけど、スキヤキ鍋を囲む食卓で、ふふみが美味しいからやってみ~といって、文哉の小皿にマヨネーズをかけちゃう。 ひと口食べてマズっと口元を押さえて台所に駆け込む文哉、 その背中に3人の笑い声。 「実際のところ、そんなに不味くはなかった。 ただ何となく大げさにしてみたかった」という文哉のセリフ。 これ、きちゃいましたよ~。 当たり前にあるはずの楽しい家族の食卓が、子供の頃になかった文哉。 麻紀子だって、福原だって、人並みの家族の食卓のあるひとじゃない。 自分は子どもの頃、近所のうちの夕飯に呼ばれたら、そこの家族がくだらない冗談を言い合って、笑いながらご飯を食べてるのに驚いて、すごくうらやましかったことがあったりしたから。 他愛ないことに笑いながら食べるご飯って、それだけでシアワセなんだって思います。 そんな、かけがえのない毎日が終わるときがくる。 福原は、警察に自首する前にはカレーを食べたいと言っていたんだけど。 ある日、今日の夕飯はカレーだと知る文哉。 「幸せは、きてることに気がつかないほど、じんわりやってくる。 でも、不幸は、とてつもなくはっきりとやってくる。 俺はチャツネを持って、どこかに行ってしまおうかと考えていた」 そして、文哉が、自分を捨てた実の父親と乗ることはなかったジェットコースターに、福原と乗る。 ジェットコースターに乗るふたりのアップに、ピアノの音が重なった瞬間、 それまでもうるうるしてたけど、泣けてきた。 『亡き王女のためのパヴァーヌ』、もともと好きなピアノ曲だけど、 こんなに身震いするほどいいと思ったことはなかったよ。 その夜、文哉が泣きながらカレーを食べるシーンで、この映画で、一番好きなモノローグ。 「日曜日の夕飯を食べると最低の時間がやってくる。 サザエさんの音楽が終わって、月曜日までの最低の時間。 でも、ダメな胸騒ぎも、なんだか出てくる涙も、どうすることもできなかった」 福原役の三浦友和。 ロン毛が気になってw、なかなか気持ちを入れて観れなかったけど、 最後のセリフの後の、カメラが寄った表情は本当に素晴らしかったと思う。 「あのさあ、いいことあったか。 お前、岸部一徳に街で出会うといいことあるって言ってたじゃないか」 「おれはあったかな」と答えた友哉が顔を上げたとき、すでに福原は傍にはいなかった。 「転々」については、ちょっと前に「亀は意外と速く泳ぐ」の記事を書いた時にも、同じ三木聡監督で、同じ「時効警察」のメンバーが出演する映画なので観てみたいと書いたけど、小ネタはいっぱいでも「時効警察」とは違うテイストの映画だった。 「時効警察」のノリが好きなひとは、あらかじめちょっと違うと思って観たほうがいいですよ。 ただし、おなじみの、岩松了、ふせえり、松重豊トリオは、もうノリノリでやってくれてます~ あと、麻生久美子は、婦人警官のチョイ役で、 役名も、三日月しずかですからw、お楽しみ。 そうそう吉高由里子。「あしたの喜多善男」では、多感で傷つきやすい茶髪の女の子だったけど、この映画では全然違って、若い頃の篠原ともえがプッツンちゃったような姪のふみみを天真爛漫に演じている。 最後に、平岩紙。このとこころ、おなじみの女優さんになった気がする平岩紙が、コスプレの尚美役でちょこっと出演。 その他の出演、だるまちゃんとてんぐちゃん、食虫植物、クリーニング屋のハンガー、コビトカバ、あぶどら肉店www あ~、自分も岸部一徳にバッタリ会えないかな~w とりあえず、後ろ向きで歩いてみるとしますか。 「転々」公式HP ウィキペディア「転々」 my評価(星五つで満点):★★★★☆
by do-little
| 2008-04-27 19:32
| ■転々
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